イエメン便り

| HOME | イエメンTOP | イエメントピックス別目次 | イエメン時系列目次 | 写真で見るイエメン | やつがしら便 | ウズベキスタンTOP | インドTOP |



普段私たちを助けてくれている人たち(2000年9月<1>)


休暇を取る時の最大の懸案事項のひとつにマモの世話という問題がありました。本当は連れて行きたかったのだけれど、検疫で引っかかるのは明白で、やむなく、フィリピン人のお手伝いさんのナンシーにマモを預けることにしました。幸い彼女は動物好きで、怖がりのマモも彼女には慣れていました。彼女の孫がマモの来訪をとても楽しみにしていて、「キューティ−っていう名前にするの」と張り切っていたとか。ま、可愛がられるのに越したことはありません。

それでも私たちは休暇中マモのことがずっと気になっていました。「猫は家につくと言うから、マモはきっと私たちのことを忘れているよ。おまけにもうキューティーになっているよ」「ナンシーがえさをあげすぎて、すごいデブになってたらどうしよう」等々。休暇から戻ってきた翌日、早速マモを引き取りに行きました。マモは、ナンシーの家で我々を出迎えた時は普通でごろにゃんと抱かれましたが、2ヶ月ぶりの我が家に入る直前に何を感じたのか急に腕から逃げ出しました。それからが大変で、我々に対してフーッと背中の毛を立て、更に本気で爪を立てて向かってきます。とにかく興奮してしょうがないのです。どうやって入れたのかは忘れましたが、20分後に何とか家の中に入れることができました。2日ぐらい我々に対してそんな状態が続きました。「やっぱりマモは馬鹿だった。全部忘れている…」と悲しくなりました。現在は以前と同じ状態に戻りましたが、これから休暇のたびにこれを繰り返すのかと思うとうんざりです。どうしたものかと思案中です。

お手伝いさんのナンシーを紹介するつもりが馬鹿マモの話になってしまいました。

当地ではお手伝いさんとして主にフィリピン人とエチオピア人、エリトリア人が働いています。私はたまたま彼女を前任者から引き継ぎましたが、彼女は日本人でお願いしているお手伝いさんの中でぴか一との評判です。週に2回3時間ほどお掃除をしに来てくれています。私はお手伝いさんなるものをお願いするのは初めてなので、「悪いお手伝いさん」がどんなものか分からないのですが、よく話に聞くような「お茶碗をよく割る」、「洗濯の仕方が雑でYシャツが青く染まった」、「トイレの雑巾でテーブルも拭く」といったことは皆無です。最もお願いしているのが基本的に掃除に限っているのですが。それでも角の物を丸く拭くといったこともしませんし、むしろ道具や住居用洗剤を適材適所に使っていて感心することしきりです。後を付いて回って勉強しなくてはと思っています。

運転手さんはアデルというイエメン人にお願いしています。彼はまだ若く28歳です。8歳年下の奥さんとの間に子供が2人。彼は英語を話せるので、お買い物時に助かるだけでなく、イエメンやアラブのことをいろいろ聞けて楽しいです。この便りでのイエメン情報の6割はアデル情報であります。ウズベキスタンのマンスールさんはロシア語とウズベク語しか話せなかったので、必然的に私たちが必死にロシア語を学ぶことになりましたが、ここイエメンでは結構な人数のイエメン人が片言の英語を話し、且つこうしてアデルが通訳代わりになる程度の英語を解するので、アラビア語を学ぶ必然性をあまり感じません。…なんて言い訳をしないで、ちゃんと勉強します。

ウズベキスタンの時は、夫が既に3年間暮らしていた後に私も追加でご一緒させてもらうという感じで、たとえばマンスールさんとの関係も夫が既に確立していたので、私は非常に楽でした。

しかしながら、ここでは夫も私もナンシーやアデルとは初めて会い、従って我々が同時に2人に対する関係の構築を試行錯誤している最中であり、私にも責任が生じているので少し緊張しています。おまけにお手伝いさんなんていう贅沢な代物をお願いするのは初めてなので、戸惑うことも少なくありません。それでも、何らかの事故が起こった時にお互いが不快感を感じないために、現金などの貴重品をそこら辺に出しておかないといったことを習慣付ける訓練は、だらしのない私にとって良い経験となっています。

更に、こうして贅沢をさせてもらうだけでは勿体なく、折角浮いた時間を語学の勉強といった自分だけのためでなく、何か他の人のために役立つことに使いたいと考えてはいるのですが、なかなか見つかりません。これから少しずつイエメンの事情に精通していって、何か見つけられるよう努力していきたいと思います。



| HOME | イエメンTOP | イエメントピックス別目次 | イエメン時系列目次 | 写真で見るイエメン | やつがしら便 | ウズベキスタンTOP | インドTOP |