イエメン版　秋冬の味覚（２０００年１０月＜１＞）

と題してみたものの、イエメンに四季はなくせいぜい乾季と雨季なので、野菜の顔ぶれもあまり変わらないのですが、それでもこのラマダンの少し前から立派な大根が出回るという話を聞いていたので楽しみにしてました。そしたら、確かに少しはましな大根が増えました（といっても、直径が２�pから４〜５�p程度になっただけ）。ところが、太い大根のほとんどにスが入っているのです。ようやくミニ風呂吹き大根ができるかと思いきや、切る大根切る大根全てにスが入っているのには頭に来ました。外見からでは中の様子までわからないんですよね。どなたか良い見分け方をご存知でしたら教えて下さい。

イエメンにおける秋冬の味覚の代表は海老です。９月末から海老の漁が解禁になるそうです。３�pぐらいの小さいものから１０�p近い立派なものが揃います。お値段もここの物価にしては非常に高く、大きいものはキロ当たり８００〜１５００リヤルもします（約６００〜１０００円。ちなみに普段の買物に１０００リヤル札はあまり使わない）。最初はよくババをつかまされましたが、徐々に新鮮な海老の選び方を学びつつあります。

スークには勿論冷蔵庫はなく、大きなたらいに入って売られています。私は何匹かの海老を取り上げて鮮度をチェックした上で購入するのですが、彼らの方が一枚上手で、上の方にだけ新鮮な海老を置いているようで、家に帰ってよく見るとババの海老が混じっています。だからいつも２キロ、３キロという量を買う必要があるのです。それでもおいしい地のものがあることは嬉しいことです。

果物ではオレンジが旬のようです。日本でオレンジはまあまあ高級品のイメージがありましたが、ここではリヤカーに乗せて売られています。冬を迎え他の果物が少しずつ高くなっているのに比べ、オレンジは１キロ１００リヤル（約７０円）で買えます。一時オレンジを始めたくさんの果物が入ったフルーツポンチに凝りました。新鮮な果物は本当においしいですね。日本のみかんに似たものもありますが、種ばっかりで食べるのに苦労を要します。あと、ジュース･スタンドでよく注文するのが｢カクテル｣です。要するにミックスジュースのことですが。ところが店によってはグラスの中に段々模様になるように芸術作品のようなジュースを作ってくれ（これがえらい時間が掛かるんだな）、たかがミックスジュースとはいえ結構侮れない代物なのです。

サツマイモも秋になったら見掛けるようになりました。ところが、ここのサツマイモは皮が白いのです。それにイエメン人はあまり食さないようで、売られている場所は限られています。私は買ってすぐに大学芋にしてしまったので、お芋自体の甘味がどの程度なのか分かりません。調査のためにももう一度買わなくては。