イエメン到着までの日々（２０００年５月＜１＞）

イエメンのガイドブックによく登場する｢ロックパレス｣。
昔の首長の別荘を、今は博物館として開放しています。

イエメン転勤の最初の打診があったのは、１９９９年１１月の終わりでした。最初の感想は、−恐らく皆さんと同じでしょうが−、｢イエメンってどこ？どんな国？？｣でした。勿論アラブ諸国のひとつで、イスラム教国ということは知っていましたが、実際暮らす身としては、｢生活しやすいかどうか｣という点が一番のポイントですよね。

で、いろいろ調べたところ、どうもアラブの最貧国らしいということがわかり、｢えー、また苦労するのか｣と軽いショックを受けつつも、他方、｢ウズベキスタンで何とか暮らせたのだから大丈夫｣という思いもありました。ま、もともと夫婦ともども興味を持っていた地域ということもあり、素直に従うことにしました。

それに、同じアラブ諸国でも、サウジアラビアなどの厳格なイスラム教国では、外国人女性にも厳密にイスラムの教えを適用したりして、非常に暮らしづらいところだと聞いていましたが、その点イエメンでは、外国人は外国人と割り切るらしいというので、ノイローゼになることもないだろうと。

・・・それから数ヶ月。
転勤日程は４月末に決まりましたが、４月には私の弟がハワイで挙式という行事も入っています。結局、夫は仕事のためタシケントに残り、私は以下のようなウルトラ・ハード・スケジュールをこなす羽目になりました：

私はこのように時差ぼけと闘い、夫はその間引越し荷物と格闘していました。私が新潟へ出発する前に２人でほとんど終わらせたつもりでいたのですが、どこにそんな荷物が眠っていたのか、更なる荷造りが待っていたそうです。

結果、４月中旬に引越し業者に委託した荷物が約１トン、２０日のタシケント出発時に自分たちで持っていった荷物が約２２０キロ。家具があるわけでもないのに、どうしてこんなに多いのか、２人で首を傾げるばかりでした。

タシケント出発時の荷物の量は、勿論許容範囲をはるかに超えていたので、かなりの出費を覚悟していたのですが、お見送りに来て下さった方たちが、チェックインを手伝って下さり、航空会社の係員がそのお見送りの人数と迫力に圧倒されたらしく、超過料金を支払うことなく無事全部の荷物がチェックインされました。まさしく奇跡！　皆さん、本当にありがとうございました。

結局、荷物に関してはフランクフルトで若干すったもんだがあったものの、１個も紛失することなく無事サナアに到着しました。