イエメン便り

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祝・イエメン滞在1周年(2001年4月<2>)

2000年4月23日に私たちはサナアに着任しました。大体どんな場所でも過ぎてしまえばあっという間の時間に感じられるものですが、ここでの時間もまさしく「光陰矢のごとし」でありました。

考えるに、やはりここでの人間関係が恵まれていることが第二の理由として挙げられると思います(第一は、−おのろけになりますが−、夫の存在)。そもそも夫と結婚する時ですら、彼の職業に付随する様々なことに大きな不安を持っていたのですが、あにはからんや、これまでは快適な生活を送ることができました。何事も飛び込んでみないと、分からないものですね。

また、イエメンは女性が外にあまり出ないという特殊な世界ですから、たまに「退屈ではありませんか?」とか「大変ではありませんか?」とイエメン人からも訊かれるのですが、運転手さんのアデルやお手伝いさんのナンシーたちに助けられつつ、なかなか快適な、かつ以前ご紹介した通りの結構忙しい毎日を過ごしています。

・・・と言いつつも、お散歩ついでにに出掛けられるような素敵なカフェがあるわけでもなく、女性の一人歩きはあまりお奨めできない土地なので、大抵の場合は運転手さんと一緒で、そうすると勝手気ままに行動できない不自由さを若干感じます。

徒歩5分強のところにあるスーパーへは一人で買物に行っていたのですが、その距離ですら、周りの好奇の視線なんかを感じるので、なんとなく身構えますし、おまけに最近そこのスーパーの目の前でフランス大使館員の誘拐未遂事件が発生し、益々一人歩きの機会が減るのでした。

そんなこんなで、やはり身体の奥底では何かしら感じているらしく、生理がこの1年間で2回止まったり、たまに脱力感に襲われるというか、調子の悪くなる時があり、そんな時は無理をしないで休ませてもらっています。サナアにも勿論病院はありますが、とても治療を受けられるようなレベルではありません。かといって、更に症状を悪化させると、国外へ緊急移送という事態にもなりかねず、そんなことになって、あちらこちらに多大な迷惑を掛けるよりは、晩ご飯の支度をサボって夫一人に迷惑を掛けている方がまだマシだろうという次第です。「旦那様ごめんなさい」だけれども、夫も同じように考えてくれています。

が、その夫も、そんな図々しい妻を持っているストレスゆえか、やはりたまにグロッキー状態になります。こちらは木曜日と金曜日が週末になり、一応仕事は休みなのですが、随分と多忙のようで、なんだかんだと毎週数時間は出勤し、「惰眠むさぼり派」の夫にとってはやはり多少はつらいように見えます。


なーんて、文句ばかりを連ねてしまいましたが、−うまく表現できませんけども−、そういったストレスとは別に、心からここでの生活を二人とも楽しんでいます。次回で詳細を述べますが、3月にはイエメンの危険度が3から2に下がりました。やったー! 引越し騒動も落ち着いた今、ぼちぼちと地方へ出掛け、意外なイエメンを発見して楽しんでいるところです。

ウズベキスタンでの1年間を加えて、今まで2年間のいわゆる発展途上国での生活を終え、まあまあ適応しているほうだなと自画自賛をしています。なんて思っていたら、先日中央アフリカで暮らしている方の報告を読む機会がありました。市場に出掛ければ、ニシキヘビやらサルのぶつ切りが売られているとか、自宅の庭に猛毒の蛇が現れたりと、壮絶な世界がそこにはあり、やはりそんな所では出来るだけ暮らしたくないと願い、まだまだ自分の未熟さを感じるのでした。


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